86レースの参戦費用はどれくらいか?【車両編】

サーキット走行

今、最も盛り上がっているワンメイクレースのひとつが86/BRZレース。13年から始まり、今年で7シーズン目に入り、21年も継続されることが発表されています(恐らく21年が最後かと)。そんな86レースに、私は2年間5レースだけ出ていました。

レースにお金はつきもの。私は2年間のうちにかなりのお金を使い込んでしまいましたが(汗)、一体どれだけお金がかかるのか、自分の経験を元に実際の費用を紹介します。これからレースをしようという人に少しでも参考になれば嬉しいです。

レース費用は、大別して初期投資とランニングコストですが、今回は初期投資、なかでも最も大きい車両費用の話です。

新車はいくら?

ご存知の方も多いと思いますが、レースに出るには86、BRZともレース専用グレード(86は86Racing、BRZはRA Racing)でないと出られません。もうモデル末期なので、今から新車を買おうという人は少ないかと思いますが、それ以前にすでに86とBRZの現行車は生産終了になっています。

ちなみに、新車時の価格だと86は約305万円、BRZは約316万円。ここからさらにバケットシート、車高調、デフなどを組まないといけないので、+90~100万は必要です。そのため、トータルで400万円以上は必要になります。

出典:https://toyotagazooracing.com/jp/86brz/join/2019.html

中古でも十分戦える!

ということで、もう中古でないと車両は手に入りませんが、中古だとすでにバケットシート、足回りが付いている場合がほとんどなので、新車で買うよりも当然安く済みます(年式や車の程度によりますが、後期型の相場は200~260万円 ※2020年10月時点)。ただし、特殊な車両なので、タマ数が少なく、なかなか自分の希望条件で選べることは少ないと思ったほうがよいと思います。

もちろん事故車もありますが、私の経験上、メンバー修正がしっかりされているなら、大きな問題はないと思います。私は、一度、リヤメンバーを修正する大きなクラッシュをしてしまいましたが、しっかりと修復してもらい、その後も大きな問題なく走っています。

また、レース参戦の目的によりますが、前期型でもまだまだ戦えます。私が乗っているのは前期型のBRZですが、一度プロドライバーに自分の車に乗ってもらったことがあります。流して3周ほど走ってもらっただけなのに、エキスパートクラスのトップ(後期型車両)から1秒落ちのタイムを出されました!(私のタイムは、トップから3秒落ち…) しかも、自分の車は普段は通勤で使っているので、エキスパートクラスのトップに比べるとコンディションは良くないにも関わらず(つーか、よくこんな車で通勤してたなっていう話やけど笑)。

つまり、腕がよければ、中古だろうが前期型だろうが、上位争いができるわけです。ワンメイクレースなので、やはり腕次第です(だからこそ、自分の腕の無さを思い知らされたわけですが汗)。もちろん、チャンピオン争いのギリギリの戦いがしたいというなら新車に近い状態の車のほうがよいかもしれませんが、そうでなければ、中古で走行距離がある車でも十分に戦えます。

中古車を買うときの注意点

これだけ中古車を押してきましたが、注意すべきことがあります。それは、買った車がレギュレーションに合致しているかどうかということ。

中古車の中には色々改造されている車もあるので、その場合は指定部品に装着し直さなければなりません。また、エンジンは改造が許されないため封印がされていますが、たとえ改造されていなくても封印が切れていればアウト。封印済みのエンジンに交換しないといけなくなりますので要注意です(事前に店に確認しましょう)。

封印はこんな感じ。右バンク側のヘッドカバー前部に付いてます。

ちなみに、私のBRZは以下の点が変更、改造されていました。

  • マフラーカッターがなぜか上級グレードのものが付いていた。
  • フェンダーのオーナメントの片方が86用だった。(オーガナイザーに確認し、念のため交換)
  • 純正のオイルクーラーが装着されていなかった。
  • ブレーキ冷却ダクトが装着されていなかった。

そして、これらをすべて交換、装着して、「これで万全!」と思って初レースの車検に臨んだところ、なんとなんと、ミッションメンバーが付いておらず、レース車検に落ちました…。そんなとこ事前に分かるかい!と言いたいところですが、なんとか知り合いの方にお借りして、その後レース車検を無事通過しました(もんのすごい冷や汗かきましたけど…)。これは、ごくごくまれなケースかと思いますが…レース車検を受けないと分からない部品もありますので、中古車を買う場合は注意が必要です。

ということで、次回は練習やレースなどのランニングコストについて紹介します。

Posted by nouchi169