【レースレポート】スーパー耐久 2020 第4戦 もてぎ

レースレポート

11月21日〜22日にツインリンクもてぎで開催されたスーパー耐久 第4戦に参戦しました。これまで86/BRZレースを5戦経験しましたが、スーパー耐久は初めての参戦。とにかく何から何まで初めて尽くしで、大きな失敗をしてしまいましたが…チームの方々にサポートいただき、何とか無事に完走することができました。

【フリー走行〜予選】BRZの乗り方が抜けずに苦戦!?

50号車に乗るのは約9ヶ月ぶり、3回目の走行。木曜からサーキット入りして20分間走行するも、タイムはBドライバーの佐藤選手の6秒落ち…。その後、Aドライバーの山西選手からもアドバイスを受けるも、金曜もタイムを伸ばせず。このままでは自分が走ると2人が築いたリードを著しく削るだけの状況なので、少なくとも2人の2〜3秒落ちには持っていきたいところ(それでも十分遅いけど汗)。

そして、金曜の走行後にデータロガーをもらって分かったのは、BRZでの自分の乗り方が抜けず、50号車にアジャストできていなかったということ(まぁ、それ以前にそもそもが遅いんですが…)。ABSを効かせたまま、ブレーキもほぼ残さず走っていたので、制動距離が伸び、コーナーでアンダーを出しまくっていました。

そして迎えた土曜のCドライバー予選。予選順位には関係ないものの、決勝前最後の走行なので、何としてもタイムを上げたいところ。

昨日のアドバイスをイメージして走ると、アンダーステアが嘘みたいに解消され、周回を重ねるごとにタイムが徐々に上がっていき、2分25秒791で予選を終えました。1日で4秒もタイムを上げたわけですが、それでも2人の3秒落ち(汗)。

とにかく、決勝では自分のベストタイムをキープして、順位を絶対に守り切るようにせなあかん!

【決勝】ほろ苦いスーパー耐久デビューレース

決勝日にはたくさんの後輩たちが応援に来てくれました。

動画も作ってくれました!

11時、いよいよ5時間の耐久レースがスタート。50号車は大きなトラブルもなく周回を重ねます。

私が任されたのは、チェッカーまでの残り30分のスティント。時間が近づくにつれ、段々緊張が増します。井原総監督からは「後ろとのギャップが十分あるから、そのまま落ち着いて走れば大丈夫」と言っていただき、気持ちを落ち着かせます。

そして、ピット前で50号車が戻ってくるのを待つタイミングになり、「テレビ中継で見ているあのシーンの中に自分がいるんだ」と思うと、緊張はMAXに。

いよいよAドライバーの山西選手が乗る50号車がピットイン。素早くシートに乗り込み、ややハーネスの装着に手間取るもなんとかピットアウト。


ここで、私は大きな失敗をしてしまいます。

ピットレーンは50km/hの速度制限があり、通常は速度リミッターのスイッチをONにしてピットレーンを走行します。しかし、ドライバー交代時、私はスイッチのポジションを確認せず、ONになっていると勘違いし、そのまましばらくピットレーンを走行してしまいました。
そして、途中でスイッチがOFFになっていることに気づき、慌ててスイッチをONに。大丈夫かなぁと心配しながら、コースインして数周走っていると、ピットからドライブスルーペナルティの無線が。

「やってしまった…」

自分一人でレースしているならまだしも、チーム一丸となって走っている中で、自分がやらかしてしまった超初歩的ミス。ペナルティ消化のためにピットレーンを通過しているときは申し訳ない気持ちでいっぱいで、コース復帰した直後に思わず「すみません! ごめんなさい!」と無線で陳謝。「起きたことは仕方ないから、今はチェッカーに向けて集中しよう」と気持ちをリセットしてもらい、そのまま周回を続けます。

その後は、自分なりに冷静に周りの車を見ながら走れているつもりでしたが、昨日とは違いV字コーナー、ヘアピンでアンダーが出てしまい、上位クラスに譲る際にもロスをしてしまって、全然タイムがまとまりません。

それで焦ったつもりはないのですが、1コーナーでスピン。

(運が悪いことに、YouTubeの中継で見事に映されていました。。)

マシンに異常はないことからコース復帰。
そのまま走行を続け、クラス8位でなんとかチェッカーを受けました。

結果的に順位を守ってチェッカーを受けたものの、わずか30分のスティントで色々やらかしてしまい、ホームストレートにマシンを止めて降りた後も、ヘルメットを取る気になれませんでした。

ピットに戻って、すぐさまチームの方々に陳謝。

「スピンは余計だったけど、無事チェッカーまで運んでくれてありがとう」とエンジニアに労っていただき、井原総監督からも「スーパー耐久はワンメイクレースと違って難しいよ。そんなに落ち込まなくても、今日の出来で普通だから」と言っていただき、少しずつ気持ちがほぐれてきました。

確かに、クラッシュやマシンを壊してリタイアが一番やってはいけないことだったので、まずは順位を落とさず無事にチェッカーを受けられたことで、最低限のことは果たしたと自分を納得させることにしました(あくまで結果論ですが)。

とは言え、私のスーパー耐久デビューはほろ苦いレースとなったのでした。
でも、4日間を振り返ると、色々なことを学びました。

無線でのコミュニケーションやドライバー交代の難しさ。普段何気にレースを見ていて、普通にプロドライバーがこなしていることにも、実はノウハウが詰まっていて、いかにシンプルに無駄なくこなしてレースに集中するか。自分がドライバーとして出てみないと分からないことが多くありました。

それと、チームの方々に色々アドバイスをいただき、たくさんの課題が見つかりました。まだまだ未熟なレベルですが、このチームで4日間レースをさせていただき、アットホームで、でも結果を出すために皆真剣で、本当に素晴らしいチームだと感じました。このチームに入れていただいたこと、そして尊敬する井原総監督の下で走れたことに心から感謝!

今回の失敗はすべて伸び代。来年に絶対リベンジします!

Posted by nouchi169